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「綴」-つづる展- Weaving the path of WONDER FULL LIFE

時や場所、専門領域を超えて美しい巡り合わせを独自の手法で綴ってきたWONDER FULL LIFE。活動開始から7年を迎え、これまでに手がけた活動の軌跡を振り返りながら、さらに新しいビジョンを加えた展覧会「綴」-つづる展- Weaving the path of WONDER FULL LIFEを開催した。
会場となったのはMUJI ATELIER GINZA。エントランスの目の前にある大きなガラス張りのショーケースのなかにコットンロープを編み上げた巨大なトーテムが立ち並び、その背後に自由な線で彩られた土器と真鍮が飾られている。

細長い展示空間を縫うように、過去のWONDER FULL LIFEがさまざまなクリエイターと組み合ったプロジェクトが点在する。アマゾン流域に暮らす人々の生活文化を研究した文化人類学研究者、山口吉彦の所蔵品を譲り受けた「BRICOLAGE」。ミナ ペルホネンのコレクションに使われた糸から神聖な馬具を編み、在本彌生が写真に収めた「祝祭-Relighten」。是枝麻紗美が編み、金井志人が染めた沖縄のクバの葉を纏ったモデルを松原博子が撮り下ろした「AMU」。そしてアーティスト、ミロコマチコがライブペインティングで着る衣装を制作、使ったあとに染め直し、再びその上に絵を描いていった「うみまとう」。作品はそれぞれ独立したものながら、ストーリーを追うように一つの物語へとつながっていくオムニバスを見ているような気分に浸る。

そして、繋ぐ言葉と探究へと視点をフォーカス。金井志人や壱岐ゆかりと試みた自然素材を用いた染め、インドの女性が施した刺し子、鹿の骨や鳥の羽根を用いた合田大智のオブジェや、山下寛兼による陶器のパーツ、ミャンマーやインドの少数民族が手がける銀細工など。WONDER FULL LIFEは、旅先での出会いの記憶のかけらを拾い上げ、繋ぎ合わせていくことで、地球上にバラバラに存在しているように見えるものが、すべて何かしらのかたちで関係し合い、現在をかたちづくり、未来の希望へとつながっていることを信じている。
音楽家の平井真美子がWONDER FULL LIFEの鎌倉アトリエで聞いた創作の営みの様子やメンバーの話し声や森や鳥の声に、自身が奏でる古い足踏みオルガンのメロディーを重ねたオリジナルサウンドトラックが会場全体を包み込んでいた。

photo:Edvinas Bruzas

「綴」-つづる展-Weaving the path of WONDER FULL LIFE
会期:2023年6月30日(金)〜8月27日(日)
会場:無印良品 銀座 6F ATELIER MUJI GINZA Gallery1・2

[PEOPLE]
在本彌生(写真家)
壱岐ゆかり(花屋)
OLAibi(音楽家)
金井志人(染色家)
菊地流架(真鍮作家)
合田大智(アーティスト)
是枝麻紗美(クバ葉職人)
十場天伸(陶芸家)
十場あすか(陶芸家)
中川正子(写真家)
平井真美子(作曲家/ピアニスト)
松原博子(写真家)
ミロコマチコ(画家)

[SPECIAL THANKS]
会津亜紀
会津尚二郎
東岳志
岩本京子
大脇あけみ
尾見紀佐子
橘田優子
鷹箸廉
田中景子
野村友里
細矢直子
原田陽子
松澤れい
三浦彰子
ミナ ペルホネン
森山直太朗

主催/株式会社良品計画 企画/ATELIER MUJI GINZA
グラフィックデザイン/飯田将平+下岡由季+佐々木晴(ido)
空間構成/板坂留五(RUI Architects)・飯田将平(ido)
会場音楽/平井真美子
編集・文/猪飼尚司
制作協力/川村美帆(daily press)