Perspective 01_ 美しい循環

WONDER FULL LIFEがLIGHT YEARSの細矢直子とともに新たに始めた「COUNTERPOINT」。クバ布を用いたバッグ、陶芸家の山下寛兼と手がけたベルトバックル、モロッコの民族衣装・ガンドーラから発想を得た服など、WONDER FULL LIFEとは異なる視点で、新たなものづくりのあり方を見つめています。

その根本にあるのは、たくさんの人たちとの出会い、そこで触れた記憶や感覚を、もっと素直に作品づくりに反映したいという思いです。COUNTERPOINTは、単にモノを作るだけでなく、それらが完成に至るまでのストーリーや醸し出される空気感までをも作品のなかに込めていきます。

ときに、それぞれに独自の活動を行うWONDER FULL LIFEとLIGHT YEARSが歩みを共にする必要がどこにあるのか、その違いは何なのかと問う人もいるでしょう。

WONDER FULL LIFEにとって、LIGHT YEARSの細矢直子の反応は、限りなく素直で率直。一番近い場所から、確かな目で状況を見渡してくれる存在だからこそ、ともにプロジェクトを手がけることで、自分たちがいま何をすべきかを冷静に感じ取り、再び新鮮な気持ちでものづくりに専念することができるのです。

一方で、細矢直子は、WONDER FULL LIFE主宰の大脇千加子のことをこのように話します。

「どんな無理難題と対峙しても、泡のようにすっと吸収していく不思議な力の持ち主。とてつもなく広い心ですべて許容しつつ、最後まできちんと向き合ってくれます。彼女と一緒にいると、ものづくりの凄さと難しさと改めて体感するとともに、それらを一つひとつ丁寧に解決していくことが本質であると思えるんです」

共通するのは、心の赴くままに目線を真っ直ぐに構え、わずかな感覚も逃さずにものづくりに込めていくという思い。それはがむしゃらで独りよがりな言葉のように捉えられるかもしれませんが、COUNTERPOINTが目指すのはもっと奥深いところにあります。

プロジェクトを通して常に感じているのは、自分たちを取り巻く物事は複雑に絡みながらも、すべてが必然のごとく、美しく循環しているということ。ある種の“わがまま”からスタートしたCOUNTERPOINTですが、多数の作家や職人の方々が手を差し伸べてくれることで、あるべきかたちへと導かれていきます。

だからこそ、私たちを取り巻く状況すべてに感謝しつつ、始めたときの楽しい気持ちを一つの指標とし、そこに立ち返ることを大切にしたいと考えています。COUNTERPOINTは、人と人の心が触れ合い、共鳴して生まれるエネルギーそのものなのです。

Text_ Hisashi Ikai